ALSOKを一言でいうと

ALSOKを一言で表すなら、「法人・個人の警備を土台に、施設管理、警備輸送、介護、防災、見守りまで広げる総合安全安心サービス企業」です。

ALSOKと聞くと、多くの人は青と黄色のロゴ、警備員、ホームセキュリティ、現金輸送、ビルの警備を思い浮かべるはずです。テレビCMの印象もあり、一般家庭向けの防犯サービスの会社として認識している人も多いでしょう。しかし、実際のALSOKは、家庭向けだけでなく、企業、金融機関、商業施設、空港、工場、データセンター、自治体、医療・介護施設、イベント会場まで幅広く支える会社です。

ALSOK ビジネスモデルの中心にあるのは、警備サービスの継続契約です。センサー、カメラ、通信機器を設置し、異常があれば監視センターで受信し、必要に応じて警備員が駆けつける。これが機械警備の基本です。法人向けではオフィス、店舗、工場、倉庫、金融機関などを守り、個人向けでは住宅や高齢者の見守りを支えます。

一方で、ALSOKは警備だけの会社ではなくなっています。常駐警備、機械警備、警備輸送に加えて、FM事業、つまりファシリティマネジメント、ビルメンテナンス、設備管理、清掃、管理業務を広げています。さらに介護事業、海外事業、ドローン活用、防災・減災、サイバーと物理を組み合わせたリスク対策にも踏み込んでいます。

投資家にとってALSOKは、単純な警備員派遣会社ではありません。機械警備のストック収益、常駐警備の人件費影響、警備輸送の現金需要、FM事業の拡大、介護事業の高齢化需要、DXによる省人化を分けて見る必要があります。就活生にとっても、現場警備だけでなく、監視センター、営業、企画、システム、データ活用、防災、介護、海外、施設管理まで広がる会社として理解する必要があります。

なぜ今ALSOKを見るのか

今、ALSOKを見る理由は、安全・安心への需要が、単なる防犯から防災、介護、インフラ保全、省人化へ広がっているからです。

日本では、刑法犯認知件数が一時期大きく減少してきましたが、近年は体感治安の悪化が意識される場面が増えています。強盗事件、闇バイト、侵入窃盗、高齢者を狙った犯罪、学校や商業施設での安全対策、重要インフラへの不安など、一般家庭と企業の両方で防犯意識が高まっています。防犯カメラ、ホームセキュリティ、出入管理、遠隔監視の需要はこの流れと結びついています。

企業側では、人手不足が深刻です。ビルや工場、商業施設、物流施設、空港、イベント会場では、警備員を十分に確保することが難しくなっています。人を増やして安全を守るモデルだけでは限界があります。そのため、カメラ、センサー、AI画像解析、遠隔監視、ロボット、ドローン、出入管理システムを組み合わせて、少ない人員で高い警備品質を維持することが重要になっています。

ALSOKにとって、この変化は課題であると同時に機会です。警備業は労働集約的な側面が強く、人件費上昇や採用難は利益を圧迫します。しかし、ALSOKは全国の待機所、監視センター、警備員ネットワーク、契約先、駆けつけ体制を持っています。この既存インフラにセンサーやAI、遠隔監視を組み合わせることで、警備を単なる人員配置から、テクノロジーを使った安全サービスへ進化させられます。

もう一つの理由は、防災・設備管理需要です。日本では建物やインフラの老朽化が進んでいます。ビル、商業施設、工場、学校、病院、公共施設では、警備だけでなく設備点検、清掃、修繕、防災、避難対応、エネルギー管理が重要になります。ALSOKがFM事業を拡大しているのは、警備と施設管理を一体で提供することで、顧客の安全・安心をより広く支えるためです。

高齢化も大きなテーマです。高齢者の一人暮らし、認知症、転倒、緊急通報、介護施設、見守り需要は今後も続きます。ALSOKは介護事業とHOME ALSOKの見守りサービスを持つため、防犯だけでなく、生活支援や介護周辺の安心にも関われる立場にあります。

成り立ち

ALSOKの正式な出発点は、1965年に設立された綜合警備保障です。2025年7月に商号をALSOK株式会社へ変更しましたが、長く「綜合警備保障」という社名で知られてきました。ALSOKというブランド名は、「ALways Security OK」に由来する言葉として広く認知され、現在では社名そのものになっています。

創業期の警備業は、今のようにセンサーや通信網が発達していたわけではありません。企業施設や金融機関を人が見回り、現金や重要物を守り、社会の安全を支える仕事が中心でした。高度経済成長期には、オフィスビル、工場、商業施設、金融機関が増え、警備会社への需要も拡大しました。

その後、機械警備が重要になります。施設にセンサーを設置し、異常を監視センターで受信し、警備員が駆けつける仕組みは、人が常に現場にいるより効率的で、多くの施設に広げやすいモデルです。ALSOKは、機械警備、常駐警備、警備輸送を中核にしながら、法人向けの警備会社として地位を築きました。

一方で、警備会社に求められる役割は時代とともに広がりました。オフィスや店舗を守るだけでなく、ATM管理、現金輸送、イベント警備、空港警備、ホームセキュリティ、高齢者見守り、介護、施設管理、防災、サイバーと物理を組み合わせたリスク評価まで、対象は広がっています。

ALSOKの歴史は、警備員が現場を守る会社から、社会の安全・安心を幅広く支える会社へ変化してきた歴史です。この成り立ちを理解すると、同社が「綜合安全安心サービス業」を掲げる理由が見えてきます。

事業内容

ALSOKの事業は、大きくセキュリティ事業、FM事業等、介護事業、海外事業に分けて見ると分かりやすくなります。

セキュリティ事業の中核は、機械警備、HOME ALSOK、常駐警備、警備輸送です。機械警備は、法人施設にセンサーやカメラを設置し、異常を監視センターで受信し、警備員が駆けつけるサービスです。オフィス、店舗、工場、倉庫、金融機関、学校、医療施設など、幅広い施設が対象になります。ALSOK-G7のように、ライブ画像確認、画像蓄積、遠隔設備制御などを組み合わせたサービスも展開しています。

HOME ALSOKは、家庭向けのホームセキュリティです。侵入、火災、非常通報、見守りなどを対象にし、異常時にはALSOKが駆けつけます。近年は、月額料金を抑えたセルフセキュリティ型のサービスや、高齢者向けの見守りサービスも重要になっています。広域強盗事件や高齢者世帯の増加により、家庭向け防犯と見守りの需要は高まりやすい領域です。

常駐警備は、警備員が施設に常駐して、出入管理、巡回、受付、監視、防災対応、緊急時対応を行うサービスです。商業施設、オフィスビル、工場、空港、イベント会場、大型施設では、機械だけではなく人による判断や対応が必要です。常駐警備は人件費の影響を強く受けますが、顧客の現場に深く入り込む事業でもあります。

警備輸送は、現金や貴重品の輸送、ATM管理、入出金機管理、金融機関や小売店の現金処理を支える事業です。キャッシュレス化が進んでも、現金需要がすぐに消えるわけではありません。特に地方金融機関、小売、自治体、ATM運用では、現金管理の効率化ニーズが残ります。

FM事業等は、施設管理、ビルメンテナンス、清掃、設備管理、工事、管理業務などを扱います。警備と施設管理は相性が良い領域です。顧客から見れば、建物の安全、設備、清掃、防災、警備を別々の会社に頼むより、まとめて任せられる方が効率的な場合があります。

介護事業は、介護施設の運営や高齢者向けサービスです。警備会社が介護を行うことに違和感を持つ人もいるかもしれませんが、高齢者の見守り、緊急通報、生活支援、安全確保という意味では、ALSOKの事業とつながっています。高齢化が進む日本では、介護と安全の境界は近づいています。

海外事業では、アジアを中心に、警備・安全関連サービスを展開しています。国内市場だけでなく、経済成長が続く地域で安全・安心需要を取り込むことが長期的なテーマです。

収益構造

ALSOK ビジネスモデルの中心は、継続契約と人員運用の組み合わせです。

機械警備では、顧客施設に機器を設置し、月額契約で監視と駆けつけを提供します。このモデルはストック性があります。一度契約すると、施設を閉鎖しない限り継続しやすく、契約件数が積み上がるほど安定収益になります。初期機器費用、設置工事、月額警備料、オプションサービスが収益源です。

ただし、機械警備は完全に自動化されたビジネスではありません。異常があれば警備員が現場に向かうため、待機所、車両、警備員、監視センター、通信システムが必要です。出動効率を高め、誤報を減らし、AIや画像確認で対応を最適化することが、利益率に関わります。

常駐警備は、人員配置によって売上が立つ事業です。契約先に警備員を配置し、時間単価や契約内容に応じて収益を得ます。大型施設、空港、イベント、工場では需要がありますが、人件費上昇の影響を受けやすいです。価格改定が進めば売上は伸びますが、採用難や教育コストが重くなると利益は圧迫されます。常駐警備では、省人化や高付加価値業務へのシフトが重要です。

警備輸送は、現金や貴重品の輸送・管理で収益を得ます。キャッシュレス化によりATM台数や現金取扱量の一部は減少する可能性がありますが、現金管理のアウトソース需要は残ります。金融機関や小売店が自社で現金管理を行う負担を減らすため、ALSOKのような専門会社に任せる価値があります。

FM事業等は、施設管理やビルメンテナンスの契約収入が中心です。建物の維持管理、清掃、設備点検、修繕、エネルギー関連サービスは継続性があります。警備と組み合わせることで、顧客施設の管理を広く取れる可能性があります。

介護事業は、入居率、介護報酬、職員配置、施設運営効率が収益を左右します。介護需要は構造的にありますが、人手不足と人件費上昇が大きな課題です。警備と同じく、サービス品質と人員効率の両立が重要です。

事業内容の特徴

ALSOKの特徴は、社会インフラに近いサービスを、人とテクノロジーの組み合わせで提供している点です。

警備は、利用者が普段は意識しにくいサービスです。何も起きないことが価値であり、異常があったときにはすぐに対応することが求められます。これは、成果が見えにくい一方で、信用が非常に重要なビジネスです。契約先から見れば、料金が安いだけでは不十分で、緊急時に本当に来るのか、教育された人員がいるのか、全国で対応できるのかが重要になります。

ALSOKは、全国ネットワーク、監視センター、待機所、警備員、車両、顧客基盤を持っています。このインフラは短期間では作れません。警備会社としての規律、教育、現場対応力、地域密着の拠点網が、同社の事業の土台です。

もう一つの特徴は、警備を入口に周辺サービスへ広げられることです。顧客施設に警備で入ると、防災、設備管理、清掃、受付、現金管理、サイバー・物理リスク診断、ドローン点検、高齢者見守りなど、追加提案の余地が生まれます。警備は、顧客の安全管理の入口です。そこから施設全体の管理や生活支援へ広がることが、ALSOKの成長余地になります。

また、ALSOKは人手不足の影響を強く受ける会社であると同時に、省人化技術の恩恵を受ける会社でもあります。AIカメラ、遠隔監視、ドローン、ロボット、データ分析、警報の自動判定、業務報告書の自動作成が進めば、人員を増やさずにサービス領域を広げられる可能性があります。

競合他社との違い

ALSOKを競合と比較すると、最も重要な比較対象はセコムです。

セコムは警備業界最大手であり、機械警備、ホームセキュリティ、医療、保険、地理情報、防災、海外など、非常に広い事業を持っています。ALSOKは業界第2位の位置づけで、機械警備では第2位、常駐警備では強い存在感を持ちます。セコムが医療や保険なども含めて幅広い安全安心サービスを展開しているのに対し、ALSOKは警備、常駐、警備輸送、FM、介護を軸に、より現場密着型のサービスを広げている印象があります。

セントラル警備保障、全日警、東洋テックなども警備会社として比較対象になります。これらの会社も機械警備、常駐警備、鉄道・施設警備などを行っていますが、ALSOKは売上規模、全国ネットワーク、法人顧客基盤、警備輸送、FM・介護の広がりで大きな差があります。警備業界は中小事業者が多い業界ですが、大規模な全国対応ができる企業は限られています。

ビルメンテナンス会社と比べると、ALSOKは警備を入口に施設管理へ広げている点が違います。ビルメンテナンス会社は清掃、設備、修繕に強い一方、警備・防犯・緊急対応のブランドや駆けつけ体制は警備会社ほど強くない場合があります。ALSOKは警備とFMを組み合わせることで、建物全体の安全・維持管理を提案できます。

介護事業では、SOMPOケア、ベネッセスタイルケア、ニチイ学館、学研ココファンなどが比較対象になります。ALSOKの介護事業は、介護専業最大手と比べると規模や知名度で違いがありますが、見守り、緊急通報、ホームセキュリティとの連携に特徴があります。高齢者の安全と生活支援を一体で考えられる点が強みです。

つまりALSOKは、警備専業会社でありながら、施設管理、介護、海外、デジタル活用へ広げる会社です。セコムほど多角化した巨大安全安心企業を追う一方で、現場密着の警備・FM・介護をどれだけ効率化し、高収益化できるかが差別化の鍵になります。

事業の現代での潮流

ALSOKを取り巻く現代の潮流は、大きく五つあります。

第一に、人手不足です。警備業は人が中心のサービスであり、採用難と人件費上昇の影響を受けます。特に常駐警備や介護では、人を確保できるかがサービス提供能力に直結します。今後は、同じ人数でより多くの現場を守る仕組み、つまり省人化と生産性向上が欠かせません。

第二に、体感治安の悪化です。侵入盗、強盗、高齢者を狙う犯罪、店舗でのトラブル、学校や公共施設の安全対策など、防犯意識は高まっています。ホームセキュリティや防犯カメラ、出入管理、緊急通報の需要は、単なる贅沢ではなく、生活や事業を守る手段として見られやすくなっています。

第三に、建物・設備の老朽化です。日本では高度成長期以降に建てられたビルや施設が老朽化し、設備更新、点検、保守、防災対応が必要になっています。警備だけでなく、FM、設備管理、防災、EV充電設備、エネルギー管理をまとめて提案できる企業には追い風です。

第四に、キャッシュレス化と現金管理の変化です。キャッシュレス決済は広がっていますが、現金は社会インフラとして一定水準で残ります。ATM台数が減っても、金融機関や小売店、自治体の現金管理を効率化する需要はあります。警備輸送事業は、単なる現金輸送から現金管理アウトソースへ変わる必要があります。

第五に、AI・データ活用です。警備カメラ映像、警報履歴、出動履歴、施設データ、顧客データを活用すれば、警備の精度と効率を高められます。AI画像解析、ドローン、ロボット、遠隔監視、業務報告の自動化は、警備サービスの生産性を左右します。ALSOKがDX戦略部を設置し、警備ビジネスモデルの変革を進めているのは、この流れに対応するためです。

強み

ALSOKの最大の強みは、全国規模の警備ネットワークです。

機械警備は、センサーを売れば終わりではありません。異常があったときに、実際に現場へ駆けつける人員と拠点が必要です。全国に警備員、待機所、監視センター、車両を持つことは大きな参入障壁です。新規参入企業がアプリやカメラだけで同じサービスを提供するのは簡単ではありません。

二つ目の強みは、法人顧客基盤です。金融機関、商業施設、工場、オフィスビル、空港、自治体、病院、学校、物流施設など、ALSOKは多様な顧客と接点を持っています。一度警備契約を結ぶと、追加で防災、FM、現金管理、サイバー・物理リスク診断、ドローン点検などを提案できます。

三つ目の強みは、機械警備のストック性です。月額契約が積み上がることで、一定の安定収益になります。法人向け機械警備とHOME ALSOKは、契約件数の維持と追加サービスの導入が重要です。顧客から見れば、警備サービスは簡単に切り替えるものではなく、信頼と継続性が重視されます。

四つ目の強みは、FMと介護を持つことです。警備会社が施設管理や介護を持つことで、安全・安心をより広く提案できます。建物を守る、設備を管理する、高齢者を見守る、介護施設を運営する。これらはすべて、事故や不安を減らすサービスです。

五つ目の強みは、ブランド認知です。ALSOKという名前は、一般家庭にも法人にも浸透しています。警備業は信用が重要なため、ブランド認知と実績は顧客獲得に効きます。特に家庭向けや中小企業向けでは、名前を知っている安心感が契約につながることがあります。

弱み・リスク

一方で、ALSOKには明確な弱みとリスクもあります。

第一に、人件費上昇です。警備、常駐、介護、施設管理はいずれも人の力が必要です。賃上げ、採用難、教育コスト、社会保険料の増加は、利益率を圧迫します。価格改定で吸収できればよいですが、顧客との契約条件によっては簡単ではありません。

第二に、常駐警備の労働集約性です。常駐警備は顧客現場に人を配置するため、売上は作りやすい一方、利益率は人件費に左右されます。省人化が進まなければ、売上が伸びても利益が伸びにくい可能性があります。

第三に、警備輸送の構造変化です。キャッシュレス化が進むと、ATMや現金輸送の需要は長期的に変化します。現金がすぐ消えるわけではありませんが、従来型の現金輸送だけに頼ると成長は難しくなります。現金管理、自治体業務、金融機関の業務効率化など、新しいサービス設計が必要です。

第四に、介護事業の収益性です。介護は需要がある一方、人手不足、介護報酬制度、職員配置、施設稼働率に左右されます。社会的意義は大きいですが、高収益になりにくい事業でもあります。ALSOKが介護をどのように警備・見守り・生活支援と結びつけるかが重要です。

第五に、テクノロジー導入の難しさです。AI、カメラ、ドローン、ロボット、遠隔監視は省人化に有効ですが、導入には費用と運用設計が必要です。現場の警備品質を落とさずに、省人化を進めるには時間がかかります。テクノロジーを導入しても、顧客が料金を払う価値を感じなければ利益にはつながりません。

数字で見るALSOK

数字で見ると、ALSOKは警備業界の中でも非常に大きな売上規模を持つ会社です。

2026年3月期の連結売上高は5,970億円、営業利益は469億円、経常利益は499億円、親会社株主に帰属する当期純利益は332億円でした。売上高は前年同期比8.2%増、営業利益は16.7%増、純利益は22.7%増となり、いずれも過去最高となりました。売上高営業利益率は7.9%です。

事業別に見ると、セキュリティ事業の売上高は4,208億円で、全体の約7割を占めます。その内訳は、機械警備事業1,840億円、HOME ALSOK事業248億円、常駐警備事業1,387億円、警備輸送事業730億円です。機械警備と常駐警備が大きな柱であり、警備輸送も一定規模を持っています。

セキュリティ事業の営業利益は454億円で、ALSOK全体の利益の中心です。機械警備のストック収益、常駐警備の大型需要、価格改定、省人化の進捗がこの利益に影響します。セキュリティ事業が安定しているかどうかが、ALSOK全体を見るうえで最も重要です。

FM事業等の売上高は929億円、営業利益は112億円でした。前年同期比で売上・利益とも大きく伸びており、施設管理やビルメンテナンスの拡大が寄与しています。警備とFMの組み合わせは、今後の成長領域として注目されます。

介護事業の売上高は552億円でした。介護施設の入居率や人員配置、生産性改善が収益を左右します。高齢化を背景に需要はありますが、利益率の管理が重要です。

海外事業の売上高は279億円でした。国内に比べると規模はまだ小さいですが、ASEANなど成長地域で安全・安心需要を取り込めるかが長期テーマです。

投資家が確認したい数字は、次のようなものです。

機械警備の売上成長率と契約件数

常駐警備の売上成長率と人件費影響

警備輸送の収益性と現金管理需要

FM事業等の売上・利益成長

介護事業の入居率と利益率

営業利益率

営業キャッシュフロー

ROE

価格改定の浸透

DX・AIによる省人化効果

ALSOKは、売上規模だけでなく、人件費をどう吸収し、機械警備やFMで利益を伸ばせるかが重要です。警備会社は社会的需要がある一方で、労働集約型の側面が強いため、営業利益率と生産性を必ず見る必要があります。

今後の注目ポイント

今後の注目ポイントは、第一に機械警備の高度化です。ALSOK-G7のような画像確認、遠隔制御、オプション機能を持つサービスを広げることで、単なる侵入検知から、設備異常、リスク管理、省人化支援へ広げられます。機械警備はストック収益の核であり、ここをどれだけ高付加価値化できるかが重要です。

第二に、常駐警備の省人化です。人を配置する常駐警備は需要がありますが、人手不足と人件費上昇が重い事業です。AIカメラ、遠隔監視、巡回ロボット、出入管理、勤務シフト最適化によって、品質を維持しながら省人化できるかが利益率を左右します。

第三に、FM事業等の拡大です。建物の老朽化、設備更新、防災、清掃、エネルギー管理、EV充電設備など、施設管理需要は広がっています。ALSOKが警備とFMを組み合わせて、顧客の建物管理をより広く取れるかが注目です。

第四に、HOME ALSOKと高齢者見守りです。住宅向け機械警備は未導入世帯が多く、広域強盗事件や高齢化によって需要が高まる可能性があります。月額料金を抑えたプラン、スマートフォン連携、見守りサービスを広げられるかが重要です。

第五に、警備輸送の再設計です。キャッシュレス化でATMや現金流通は変化していますが、自治体、金融機関、小売の現金管理アウトソース需要は残ります。単なる輸送ではなく、現金管理業務そのものを効率化するサービスへ変えられるかが焦点です。

第六に、新中期経営計画「ALSOK STAGE 2028」です。2028年度に向けて、成長市場の開拓、多様なリスク対応、DX・AIを活用したBPR、人的資本強化を掲げています。計画の数字だけでなく、実際に現場の生産性が上がり、利益率が改善するかを確認する必要があります。

投資対象として

投資対象としてのALSOKは、安全・安心需要の構造的な拡大を取り込む、安定感のあるサービス企業として見ることができます。

魅力は、まず需要の安定性です。警備、防犯、防災、施設管理、介護は、景気が悪くなっても完全にはなくならない需要です。企業や家庭は安全を守る必要があり、社会不安や人手不足が高まるほど、警備会社への期待は強まります。機械警備のような継続契約は、収益の安定性にもつながります。

次に、FMや介護への拡張があります。警備だけではなく、施設管理、設備管理、清掃、介護、見守りを持つことで、顧客との関係を広げられます。建物の安全と高齢者の生活支援は、今後も社会的に重要なテーマです。

一方で、投資判断では人件費リスクを無視できません。警備員、介護職員、施設管理スタッフを多く抱えるため、賃上げや採用難は利益率に直結します。価格改定で吸収できるか、省人化で生産性を上げられるかが重要です。また、常駐警備や介護は人員を必要とするため、売上が伸びても利益率が大きく上がりにくい可能性があります。

長期投資で見るなら、確認すべき点は三つです。まず、機械警備とHOME ALSOKの契約が積み上がっているか。次に、常駐警備と介護で人件費上昇を価格改定・省人化で吸収できているか。そして、FM事業等が警備に次ぐ成長・利益の柱になっているかです。

就活生にとっては、ALSOKは現場警備だけの会社ではありません。警備員、監視センター、法人営業、技術、機器開発、データ分析、DX、施設管理、介護、海外事業、防災、サイバーと物理のリスク対策など、仕事の幅は広いです。安全を守る仕事は緊急時の責任が重い一方で、社会インフラに近い仕事でもあります。安定した需要のある業界で、現場とテクノロジーの両方に関わりたい人にとって、ALSOKは分かりやすい選択肢になります。

まとめ

ALSOKは、機械警備、常駐警備、警備輸送を中核に、HOME ALSOK、FM事業、介護事業、海外事業へ広がる総合安全安心サービス企業です。警備員が現場を守るだけでなく、センサー、カメラ、監視センター、駆けつけ体制、施設管理、見守り、介護、防災を組み合わせて、社会の安全を支えています。

この会社の本質は、危険が起きたときだけ対応することではありません。何も起きない状態を維持し、異常が起きたときにはすぐに動き、建物や人の安全を長く守ることです。機械警備のストック収益、常駐警備の現場対応力、警備輸送の現金管理、FMの施設管理、介護の生活支援が組み合わさって、ALSOKの収益構造を作っています。

一方で、人件費上昇、採用難、常駐警備の労働集約性、警備輸送の構造変化、介護事業の収益性、DX投資の難しさには注意が必要です。安全・安心需要は強いものの、その需要を利益に変えるには、省人化、価格改定、技術活用、事業ポートフォリオの改善が欠かせません。

ALSOK 企業研究では、「警備会社」という一言で終わらせず、「法人・個人向け警備を土台に、防災、施設管理、介護、見守り、省人化へ広がる総合安全安心企業」として見ることが重要です。投資家にとっては、機械警備のストック性、FMの成長、人件費と省人化、営業利益率が注目点です。就活生にとっては、現場の安全を守るだけでなく、社会のリスクを減らす仕組みを作る会社として理解することが、ALSOKを見る近道になります。